アメリカの医療制度がいわく付きであるのは有名。
マイケル・ムーア監督の「Sicko」を見た人は少し状況が分かってるかも。
私はアメリカ渡米直前であって、もともとひどいと分かってる医療の実態を掘り下げてしまうのが嫌で、わざと見なかった(そして今も見てないし、今後もしばらく見ないだろうし)
さて、7月からビルが病院のお世話になる機会が多かった。
まず7月末に弁慶の泣き所に水が溜まり(水腫?)押さえると指型にぼこっと気持ち悪く凹む。これが初めてではないので、実際「またか・・・。だから外の泥だらけな地面をはだしで歩くなって言ってるのに・・・」と少し呆れ気味で、痛がってるビルに病院に行くことをすすめた。
アメリカの医療制度が最悪だという理由は:
① 国保がなく民間保険しかない
② 待ち時間が半端ない
③ 通常、予約以外は受け入れられない(予約なしではER扱い)
④ 保険があればどこの医療機関でも治療が保険適応で受けれるというのではなく、その保険会社のネットワークに加入していない医療機関は保険適応外で全額自己負担になる(病院に行く前にそこが自分の保険が使える機関かを調べておかないといけない)
⑤ そして何よりも治療費が高額
健康保険を持っていない若者はざらにいる。以前学校で習ったところによると、20代から30代半ばで保険未加入者が3割と、日本では考えにくい現状。実際ビルは、被保険者扱いでなくなった18歳から今回私の会社から保険が支給されることになった32歳まで(アメリカで)保険がなかった。なので、全額自己負担で病院やら歯医者に行っていた。恐ろしい。
④番があるから「金持ちには最高の治療が&貧乏人には最低限の治療が」という階級制度が生まれてしまう。その人が入ってる保険のレベルによって行ける病院まで変わってしまうから。
アメリカでは毎月の保険料とは別に、Co-Payと呼ばれる通院の際に支払う手数料が発生する。私たちの保険プランでは$15。ビルは水腫の治療のときに、待ち時間が長くなり時間の無駄だということで迷うことなくER(救急治療)へ。診察は触診のみで一瞬で終わり抗生物質を与えられ、ただの化膿という診察結果(予想通り)。その時は$15支払っただけで終わり、忘れた頃に(2ヵ月後!)病院から請求書が届いた。その内訳をみると、実際の費用が約$900で自己負担が$100という。触診でたいした診断もせずに約1万円!?怒った私は病院にクレームの電話を今日さっそく入れてみた。「ERだから高い」らしい。なるほど。でも5分くらいの診察で元値が9万円?!しかもあなたの保険会社だからこの金額であって、他の保険会社だと値段は違う・・・と。何々?と詳しく聞いてみると、治療費用と言うのは、医療機関と保険会社との話し合いで決まるらしい。全国共通でないって!?その後保険会社がいくら負担するかも決めるとか。日本みたいに3割負担とかじゃないの~?そんなわけで、アメリカでは治療費用も交渉できると我が友ゆみちゃんに聞いていたので試してみたけど、あっさり撃沈。
それ以外ではビルのこめかみの辺りに出来ていたイボが大きく成長しつつあって、切ってもらうために皮膚科へ行ったのと、肺炎の時のレントゲン代(約2万円支払済)とで、追加請求書が来るのではないかと冷や冷やしている。若くしてこんな高額を支払ってて、高齢になって病院に通院するのが日課という年齢になったころには一体どうなってしまうんやろうか。オバマさんが国保を作ろうと頑張ってくれてるけど、ブッシュの尻拭いで任期が終わってしまうんじゃないかな・・・。
あと聞いた話では、ERでの治療費は高額やけど、もし1泊することになれば自己負担は全くのゼロらしい。なにそれ!!でもたいていはよっぽどでなければ帰らされてしまうらしい。